今年もMIYAMA森の湯治場ワークショップ・シリーズが始まりました。今年度は「森の養生講座」として、森林ヨガ・鍼灸院とは独立して開催することになりました。
イベント当日、京都新聞の告知記事の影響もあり多くの方にお集まりいただきました。おなじみ「養生ことはじめ」から1日の始まり。監修・講師をつとめる伊藤先生から、前年度からつづく森の湯治場のコンセプトを説明してもらいました。「病気にならない身体づくり」から「より健康で、より美しくなる」を目指す考え方が示されたことが、昨年から進化したことのひとつでしょうか。先生いわく、今の健康志向は、特定の病気にならないための予防としての側面が強いけど、もっと健康になって美しくなることを目指す方が前向きで広がりがある、と。確かにその通りですね。予防の枠にとらわれないで、より身体を良い状態へ持って行き、より魅力的になれるように。そんな気持ちで新しいシリーズが始まりました。
さて、今日のテーマはよもぎ。お灸に欠かせないもぐさは実はよもぎの葉の裏の産毛を集めてできたもの。火着き、火持ちが良く、強い殺菌作用と香りに鎮静効果もあり、古くからもぐさの原料として重宝されてきました。一口によもぎといっても、春から初夏にかけての柔らかいものを天日干しでしっかり乾燥させ、3年ほど寝かせるといったように、条件がいろいろあるそうです。質の違いにより、火持ちや扱いやすさが変わってくるそう。
今回は5月に会場周辺で摘んだ柔らかい葉を乾燥させたものを、すり鉢とすりこ木でしっかり粉砕し、ふるいにかけて産毛と分離する、一番シンプルな方法でもぐさを作りました。
ひたすらすりこ木でごりごりごりごり・・・細かくなった葉っぱは分離され、産毛はふわふわ!粉は料理などに使えます。
むかしながらのすり鉢も登場。すり鉢よりも細かく仕上がります。
もぐさが完成したら、早速お灸の実践!誰でも簡単にできるお灸方法として、生姜のスライスやびわの葉に乗せる方法を。お灸の熱とともにそれぞれの有効成分が皮膚から浸透し、温める効果を高めます。お灸を据える場所はいわゆる身体のツボ。刺激することで血流を効果的によくするピンポイントです。
お灸でじんわり温まったら、お昼ご飯で一息。たけのこの味噌和えや梅干しの入った玄米ご飯と地元美山の味噌のお味噌汁はシンプルながら滋養がたっぷり。
そして午後の講義が始まりました。自分の身体の状態を知るための方法として、まず舌のチェック。
次に森の舞台に会場を移し、歩いて自分のからだのゆがみを知るテスト。意外と皆さん身体が歪んでる!テストの後は、ストレッチでからだのゆがみをとる!森のきれいな空気を吸いながら行うストレッチは、気持ちがいい!
1日のプログラムが終了。からだの歪みやコリがすっきりして、みなさんすっきりした顔に。プログラム開始前と開始後の身体の状態の変化を見るアンケートを記入。良い状態へ変化したでしょうか?
1日の振り返りの後、乾燥よもぎを煮出したお茶とよもぎを練り込んだクッキーをいただきながら、交流タイム。地元の方々が実践している食養生について聞いたり、街の普段の暮らしの中での味覚などの感覚と自然の中でリラックスした時の感覚とは違うというような参加者の方々の意見を聞いたり・・・また、健康や医療の昔と今の違いについての話、現代の医療の問題点などについてもざっくばらんに・・・痛み、特に筋膜についての研究で医療の最前線にいる先生だからこその貴重な話を聞くこともできました。
あっという間に盛りだくさんの1日が終わり。解散後はめいめいに鍼灸体験をしたり、雑談をしたり。心地よい空気の中でゆるやかに時間を過ごしていましたよ!来月も楽しみです!