暑い暑いといえど、朝晩はキリッと冷たい空気が流れる美山。もっとたくさんの人に美山の夏の良さを知ってほしいなと思いながら、清流で戯れながら養生を学ぶというワークショップを企画!足の健康と伝統の知恵ということで、草鞋づくりまでセットにしてしまった、盛りだくさんすぎる今年度第2回目の養生講座。
前日まで雨の予報があったため、どうなるかとハラハラしながら迎えた当日・・・湿度の高さで珍しく早い時間からムシムシと暑くなっていたものの、前日に降った雨で雨雲は消えた様子・・・!参加者の皆様も続々と集まって、講座が始まりました。
まずはいつものように、伊藤先生による「養生ことはじめ」からスタートです。自然の変化に合わせて自分をコントロールすることで、病気にならないようにする。そしてその技術や知恵は田舎暮らしの中にある・・・今日のテーマは「夏の足の健康」なので、足のセルフケアの面白さや自分の健康を足から判断する方法などの概要をさっとお話していただいたあと、おなじみの健康・心理状況チェック。
朝早くからスタンバイしてくれていた、今回の草鞋作りワークショップの講師、岡本勝さん。90歳を目前にして、頭の回転も早くスマホにタブレット、ドローンまで使いこなすスーパーおじいちゃん。まずは自分の健康の秘訣として、いろいろなものに興味を持ち、よく考えよく動くことなどのアドバイスをいただき、そして待望の草鞋タイム。サンダルや草履と違い、草鞋は足指が外に出て、地面を踏みしめることができることが良いのだと草鞋の特徴を説明。足首もしっかり留めるので、とても歩き易いのだそう。
さて、早速製作に入ります。初心者が草鞋を2時間という制限時間で編みあげるのは到底無理!ということで、誰でも一足は仕上げられるように、岡本さんが途中まで作ってくれていました。実際には、わらを叩いて柔らかくし、ひねってわらを紐状にして、それから編んでいく、という長い下ごしらえの過程が必要なのです。かつては履き物に敷物、羽織りものとしてなどわらは日常生活のいたるところで使われていましたが、今はほとんど見ることができなくなりましたね。手間がかかることや、ビニールやプラスチックなど現代の主流の素材に比べて耐久性が少ないこともありますが、そして米の収穫は今やコンバインが主なので、手刈り・はざがけの天日干しでなければちゃんとしたわらが残らないということも、理由です。昔はどこの農家にでもあったのに、今は田舎でもお金を出して買う時代になったそうです。
まずは岡本さんがお手本を。足の親指にひっかけて、しっかりと手に力を込めながらどんどん編み進めていきます。その手際の良いこと!!
みなさんやってみてください、ということで、作業開始。わらをよってわらひもを作るところから体験!
岡本さんの指導のもと、皆それぞれに作業を続け、草鞋の完成!
草鞋を履いた足が、みなさんとってもかっこいい!
さながら草鞋がテーマのファッションショーのようです。。。!!やはり日本人には草鞋が似合う、、、ソウルフードならぬソウルシューズ・・・
草鞋を履いて、川まで歩いていきましょう・・・
ひんやりして気持ちいいですね!
草鞋のグリップ力はかなり良い感じで、岩場も滑りにくく歩きやすい。草鞋の履き心地を味わいつつ、しばしめいめいに川遊びを楽しんでいただきました^^
ちなみに草鞋の耐久性ですが、石や岩の多いところだとすぐに磨耗して履けなくなってしまうのだとか。つるつるのアスファルトやコンクリートならだいぶ長持ちするそうです。でも昔は塗装道路なんてほとんどなかったですね。街中の石の少ない土の道などは逆に耐久性はよかったそうですが、田舎ではしょっちゅう草鞋を履き替え、そのぶん毎晩草鞋を編んでいたそうです。長旅では草鞋を腰にいくつもぶらさげて、履けなくなったら取り替えていたそうです。捨ててもすぐに自然にかえるので「使い捨て」でも全く問題ないですね。
お昼ご飯はモバイルハウスのテラスで農村の風景を眺めながら野菜たっぷりの養生カレーライスを・・・雑談しながらのんびり一休み。講師も参加者も休み時間にみんなゆったり仲良く話し合えるようになるのは、森の養生講座の特徴のひとつです。
お昼の後は、午後の講義の始まり。まずは、ことはじめで説明した「足から人の健康がわかる」ことについての詳しい説明から・・・足の裏は第二の心臓とよばれるほど、足の裏には体の様々な器官や臓器に対応する末梢神経が所狭しと並んでいます。これは「反射区」とよばるツボよりも広範囲な面で、触ればその部分が対応する器官や臓器の状態がわかり、どこをケアするべきなのかがわかります。さらに、足裏の反射区を全て刺激することで身体全体をケアすることにもつながり、「全体の力を借りて部分を治す」という東洋医学の神髄も発揮されるとのこと。
早速実践です!風が吹き抜ける心地よい森の中に移動して、足裏マッサージを開始。各部分が対応する器官・内臓を意識しながら、最初は軽く、だんだん力強くマッサージします。痛みを感じるところを重点的にもみほぐします。できれば毎日行う方が効果があるとのこと。。。!
マッサージの後は足指ストレッチ。全身のストレッチと同様に、足指を広げると筋肉が伸びて血流が改善され、血流を改善させることで老廃物が流れ、むくみも解消され、また下半身の冷えも解消します。また、血流の改善で疲れがとれると、足裏のバランスも良くなり、運動機能の維持・向上にもつながり、怪我もしにくくなるといいことだらけ!まずは足指の形状から健康セルフチェック、そして少し動かしながら足指の筋力チェックをして、自分の足の状態を確認した後、丁寧にそれぞれにあった足指ストレッチ方法を学んでもらいました。
会場は風が吹いてとっても気持ちよく、ストレッチには最適な環境!
講座が一通り終了し、最後に養生ことおさめ。今回は伊藤先生の助手をつとめるM崎先生が替わってみなさんに1日の振り返りと今後の足の健康に向けたアドバイス。そのあと、開始時に行った健康チェックと同じものを行い、参加者のみなさんに自分の1日の体調や心理状況の変化を確認してもらいました。
最後のお茶タイムでは、参加者のみなさんと色々な意見を交わしながら、のんびりとした時間を過ごしました!
草鞋づくりに川遊び、ストレッチにマッサージのレッスン、盛りだくさんの1日で心地よい疲れを感じながら解散・・・みなさん、本日もお越しいただきありがとうございました☆
次回も楽しみですね!!