WWOOF(ウーフ)とは、かつては「有機農業に従事したい」の意―Willing Workers on Organic Farms、今は「世界中で有機農業に触れる機会を」の意―World Wide Opportunity for Organic Farms、ともかく有機農業や持続可能な暮らしに触れたい人と人手を求める人をつなぎ、その輪を広げる世界的なネットワーク、というもの。
基本的にWWOOFをする人=ウーファーとウーファーを受け入れるホストがおり、ホストは宿と食事を提供する代わりに、ウーファーに作業を手伝ってもらい、ウーファーは作業中や作業後のホストとの交流から、学びを得ます。
美山里山舍がこのWWOOFの日本支部、WWOOFジャパンにホスト登録し、世界の人がアクセスできるようになってから早一ヶ月。なんと、次から次へと申込が入ってくるようになりました。
そんな里山舍のウーファー第一弾は、香港から来た20歳と21歳の女の子2人組、アンとクラウディア。
それぞれダンスと和太鼓を学んでおり、香港ディズニーランドで働く同僚同士という2人。とにかく突き抜けて明るくて、何でも楽しむ、すごく前向きな子達でした。
5日間の滞在のうち、1日は買物を兼ねた美山観光、2日・3日目はこちらが忙しくて、私の畑の師匠と炭焼き職人さんのところへ手伝いに行ってもらい、4日目のみ里山舍の作業をする、というかなりWWOOFとしてはイレギュラーな形になってしまいましたが、お師匠さんのところでは草引き、炭焼き職人さんのところでは炭の加工、うちでは薪割りや種まき、そしてご近所さんの稲穂のはざ掛けをするなど、色々な事を体験して行きました。
朝ご飯は、ロケットストーブで炊くご飯!土鍋を使います。香港の実家では、お母さんがチマキの達人で、薪の調理器具を使っているというアン。手がこなれています。
早速炭焼きをされるTさんのところにお手伝いに。薪割りに挑戦です。顔が面白い…
焼けた炭を切って加工するお手伝い。楽しそう。
仕事後の晩餐。美味しい地鶏を七輪で。香港スタイルとはまた別の、日本のBBQ!
翌日は、我が畑のお師匠さんのところにお手伝い。うれしそうに収穫しています。芋掘り後の美山牛乳。美味しそうに飲んどります。
いただきものの野菜達。毎晩たっぷりの野菜を頬張り「おいしい!」を連発してました。
一時間ほどお手伝いした稲のはざがけ。あっと言う間に終わり、感謝されました^^
作業後に入る水路は「きもちいい!」毎日飲む水道の水も美味しい。この清流の恵みこそ、世界でも貴重な日本の宝。
ご近所の小学生にバルーンアートを教える2人。アンは専門学校で児童教育を学んでおり、教え方も上手!喜んでもらえて、ご機嫌。
2人が帰った後、泊まっていた部屋にバルーンアートの置き土産。なんとも素敵なことをしてくれます。
始めてのWWOOF受け入れは、こんな賑やかな女の子とともに、あっという間に過ぎて行きました。1997年の返還から早くも15年が経ち、中国の影響の下で変わり続ける先進的消費都市、香港。大都会に辟易した彼女達は、生まれ育った都市にはない、自然がいっぱいの異文化の環境に、新しい視点を求めて美山に来てくれました。
滞在した時間は短かったけれど、ここでの体験をしっかりと胸に刻んで、これからの人生の糧にしていってもらえたら嬉しいですね。私たちも、彼女達との交流の中で学ぶ事がたくさんありました。来てもらえてよかったと、心から思います。
彼女達を見送るように、ぽっかりと浮かんだ昨日の月は本当に奇麗でした。
さあ、9月末には、また別の外国の方が来ます。賑やかな初秋です。